野球用語の日本語化

 

1943年のある日、陸軍情報部の山内という大尉からの呼び出しが来た。当時事務長であった鈴木龍二が出頭してみると野球用語を日本語にせよ

とのことだった。強制するわけではない、とは言うものの軍の意向とあれば絶対である。

早速理事会が3月2日、3日と開かれた。日本語化にいち早く賛成したのは赤嶺昌志、強行に反対したのは河野安通志であった。

結局、大勢はプロ野球を存続させるためには日本語化もやむをえないということになり、同年の4月3日の開幕戦から早速実行することになった。

 

日本語化した野球用語

ストライク

正球

ボール

悪球

フェア・ヒット

正打

ファール・ボール

圏外

セーフ

安全

アウト

無為

ファール・チップ

擦打

バント・ヒット

軽打

スクイズ

走軽打

ヒットエンドラン

走打

ボーク

疑投

ホームイン

生還

タイム

停止

フォース・アウト

封殺

インターフェア

妨害

スチール

奪塁

リーグ戦

総当戦

コーチ

監督

コーチャー

助令

マネージャー

幹事

アーンドラン

自責点

チーム

球団

ホームチーム

迎戦組

ビジターチーム

往戦組

グラブ、ミット

手袋

フェアグラウンド

正打区域

ファールグラウンド

圏外区域

ファールライン

境界線

スリーフィートライン

三尺戦

プレイヤーズライン

競技者線

コーチャーズボックス

助令区域

審判用語

ストライク

一本、よし一本、よし二本、よし三本と数える

三振アウト

それまで

ボール

一つ、二つ、三つ、四つと数える、四球の場合は「一塁へ」

フェアヒット

よし

ファールボール

だめ

セーフ

よし

アウト

ひけ

ボーク

反則

インフィールドフライ

内野飛球

 

スコアボードの文字は、ストライクは「振」 ボールは「球」 アウトは「無為」と示す。

日本語化は巨人の理事であった野口務が審判部の意見なども聞き、行った。

(鈴木龍二回顧録より)

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